神事 龍神さん……弐

そのあと薫子さんは体調不良に陥ったり本当に大変で、その中でも私に具合悪くなるかもしれないから気をつけてと言ってくれた。
そして、「辛抱してください。」とも。

そう言われたということは何かあるんだなと思った。

しばらくして薫子さんにこの日は休みか?と聞かれ、たまたま休み(たまたまなんてことはもはやないのだけど……)で神事に付き合って欲しいと頼まれた。

わかりました。と即答したけれど、何をどうしたらいいかなんてわからないままだった。

当日を迎え、5人でその土地へ向かった。
薫子さんは喉が渇いた。とお茶を買いに行き、その場で飲み始める(そんな姿を見たことない。あらゆるマナーに精通していて買ったばかりのペットボトルをがぶ飲みするようなことはしない人なのだ。)
啓さんもこんなことない。
朝からずっとなんだよね。と言っていた。

土地のある駅に着き神事に必要な物品を薫子さんが揃えていく。
水を探さないと。とスーパーや道の駅に寄るがその土地の水がどこを探しても売っていない。
薫子さんと啓さんでナビを設定し向かったところはおかんじち湧水地だった。

"おかんじち湧水地"土地の人の一部はきっと大事にしているのだろう……そういう処はたいていひっそりとしている。
とてもきれいな水が湧いていた。
お堂がありお参りをして水に触れていた薫子さんが、「この水だ。この水を汲むためにペットボトル空にしたんだわ。みんなで持っていけるだけ持ってく!」と。5人それぞれが持っていたペットボトルに入れることにした。(今気がついたけど、みんな一本ずつ空にしたペットボトルがあったのだ。普通駅で捨てそうなものだけどそんなこともなく、誰かが飲み残していてもいいようなのにそれもなかったと思う。)

水を入れた後、また車に乗りその土地へ挨拶だけは済ませようと向かうことにした。
                              続く……

Ravenna exclusive writing atsuko.m

すこし、分けてください。

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