障子の破れていく家

皆さんのお住いの地域に、あるいは通勤途中に、小さな頃の通学路に、「あの家、出るよね。」の物件……そしてそういう家、誰もいないはずなのに、昨日とは違う所の障子が破れていく……誰もいないのに……あ゛~居るんだね~なんか……。

夏でもないのにこんな話……笑

少子高齢化に突入し、管理出来ない空き家が増えると地域の治安が壊れ、先のような悲しい佇まいの家が増えている。
我が家の近所にもそのような家が何軒か見受けられ、そのうちの一軒が向かいの家、毎朝どうしても目に入ってしまう。

『ねぇねぇ、見てあそこの障子、昨日はあんな破れ方じゃなかったような………』
「ああ、あれね、人が住んでいないと空気の流れが悪くなり、湿気がたまって、障子が破れていくんだよ、一枚一枚。」
『きゃ~番長皿屋屋敷だね……( ̄∇ ̄)……後は、タヌキとかネズミとか?』
「そうだね、獣は人の気配がないと、どこからでも入って行くからね。」
『人の気配もなく障子ボロボロは、見た目が悪くて、地域の雰囲気も悪くなるから嫌ね。』

これは、一級建築士さんとの会話です。
オカルト大好きさんには、残念な話の流れになってしまいましたW
こんな事にならないように、持ち家を持っている方は、5年後10年後15年後……と家の行く末を考えて行かなければなりません。
日本は他国とは違い、家の耐久年数が極端に短いから、子や縁者に託すならば、それなりにお金を掛けて整えていく必要があります。
託す人が居ないのならば、購入時のローンの中に老朽化してきた時の解体費も組み込んで考えないと、自ら悲しい汚れた空き家作りに協力してしまう事になってしまいます。
県内や県外にまちづくりの講演に行った際には、この手の話を盛り込み伝えていましたが、理解して頂いた方がどのくらいいたか…… この点は工務店や建設会社さんからも家作りの際には、伝えて欲しい部分でもありますが、家を作る側が考えなければならない点だとも思います。
みんなのお家は大丈夫かな?

宮大工の祖父が建てた家はまだ何軒か残っている。
ちゃらい建て方してないからね。